食べかけのシーラカンス

正座して書いてますので正座してお読みください

大家さんの唇

今朝、俺の店が地元ラジオで紹介されていたらしい。

メディアで紹介される程有名になったのか、非常にうれしい話だ。しかしこの件に関して放送局からの事前連絡などは一切なかったので、恐らく教えてくれた人の勘違いだと思う。

教えてくれたのは大家さんだ。温厚な70歳くらいの男性、おじいさんというよりもおじいちゃんという感じの優しい人だ。

大家さんはいつもびっくりするくらい大きい声であいさつしてくる。たまに店の商品もテイクアウトしてくれる。

 

今朝この話教えてくれた時、大家さんの唇がハチャメチャに切れていた、切れるというよりも、ちぎれていた。やばいなこれはと思った。血が固まっていた。口の周り一杯にケチャップをつけて、紙ナプキンでさっと拭いた、みたいな感じだった。俺はちぎれる唇にビビってしまって、話が全然入ってこなかった。大家さんは自分のことの様に嬉しそうに報告してくれた。俺は(と、とりあえずお礼を…!)と思い、ビビりながらだが『あ、ありがとうございます!!』と、結構大きめの返事をしてしまった。(もし居酒屋の注文時にこれくらいの掛け声を聞いたら、う~ん、慣れ…てはないかぁ?入って2週間ぐらい、それも居酒屋バイトは初めて、元気な子ではあるよな。掛け声にもそろそろ慣れてきたけど、まだ少し恥ずかしさが残る、後一か月すればすっかりホール回せてそうな女子専門学生(友達が来た時には恥ずかしさを意識するけど頑張って声のボリューム下げないタイプの子だ!)と予想するだろうな)

 

大家さんは俺の大声レスには何もなかったかのように、にこにこして去っていた。いつも挨拶、おおきいもんなぁ